ながらの座・座

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特別企画

ながらの座・座2020特別企画 制作協力:日本センチュリー交響楽団

今、ここに触れたい音楽がある
【タイボウ】耐乏、待望、大望(無伴奏リサイタル連続公演)

2020.06.21(日)・ 6.27(土) ・ 6.28(日) 15:00〜お知らせ, 主催イベント, 特別企画, 記録・レポートsold out!!

今、ここに触れたい音楽がある

第1回 6月21日㊐ 出演:安井 悠陽(日本センチュリー交響楽団首席ファゴット奏者)
第2回 6月27日㊏ 出演:巖埼 友美(同ヴァイオリン奏者)
第3回 6月28日㊐ 出演:笠野 望(同バストロンボーン奏者)

すべて14:30開場、15:00開演 全日程SOLD OUT
休憩なし60分公演、公演後にアフタートークあり

参加費:2,000円
定 員:各回30名(すべて完売)

プレスリリース(PDF: 1.1MB/2ページ)
出演者からのメッセージ(PDF: 1.1MB/3ページ)

申込み:全日程完売

主 催:元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(ながらの座・座)
    〒520-0035 滋賀県大津市小関町3-10(地図
    Tel&Fax: 077-522-2926 Mobile: 090-8576-7999(橋本)
制作協力:日本センチュリー交響楽団
後 援:滋賀県・滋賀県教育委員会、大津市・大津市教育委員会、文化・経済フォーラム滋賀
特別協賛:中山倉庫株式会社 滋賀石油株式会社

☞チラシ:PDFファイル [5.4 MB]

演奏曲は、全ての回を通じた軸として作曲家、近藤浩平が新型コロナウイルスによる自宅待機の間にも音楽家が動画配信や録音によって活動を続けられるよう作曲し、楽譜を無料公開したことでオーストリアやブラジルをはじめ国内外の多くの音楽家によりオンライン上での初演、配信がされている「いつか夢になるまで〜家の中にとどまる音楽家たちのために〜」のライブ初演、そしてJ.S.バッハの作品を据え、残りの作品は出演者自らが「今、ここで触れたい音楽」を選びました。

第1回 6月21日㊐ 出演:安井 悠陽(ファゴット)
 J.S.バッハ:無伴奏パルティータBWV1013
 W.オズボーン:ラプソディ
 M.アーノルド:ファンタジー
 近藤浩平:いつか夢になるまで~家の中にとどまる音楽家たちのために~
      ※ファゴット版ライブ初演
 F.ジャノーラ:多機能バスーンのための古代と現代のダンス


第2回 6月27日㊏ 出演:巖埼 友美(ヴァイオリン)
 近藤浩平:いつか夢になるまで~家の中にとどまる音楽家たちのために~
      ※ヴァイオリン版ライブ初演
 パラディス:シシリエンヌ
 西村朗:モノローグ
 J.S.バッハ:無伴奏パルティータ第2番 ニ短調 BWV1004
 武満徹:小さな空


第3回 6月28日㊐ 出演:笠野 望(バストロンボーン)
 J.ノレ:モノローグ
 近藤浩平:いつか夢になるまで〜家の中にとどまる音楽家たちのために〜
      ※バストロンボーン版初演
 D.ブルジョワ:幻想曲集より(ゲスト出演 トロンボーン:ロジャー・フラット)
 ほか

【本公演の新型コロナウイルス感染拡大予防について】

本公演主催者「ながらの座・座」では、新型コロナウイルス感染拡大予防についてガイドライン(公益社団法人全国公立文化施設協会発行)に対応して下記のような対策をとっています。

・会場は外気が流通している閉鎖的でない、庭に面した和室会場を使用します。
・定員を通常より少ない30名に制限します。
・固定椅子のない和室のため間隔を空けて客席を設置します。
・入場は少人数ずつ、スタッフが誘導しておこないます。
・手指の消毒のための備品設置を設置します。
・スタッフはマスクの着用し、来場者にはマスク着用の協力をお願いします。

Special Report

ながらの座・座  橋本敏子

 このコンサートは、プログラムタイトルにあるように、座・座の通常のプログラムとは異なる位置づけにある。それは日本センチュリー交響楽団の制作協力によって実現できたこと、新型コロナウィルス感染拡大の予防と規制による "自粛"に対し、座・座の向き合い方を行動で示すものという意味が含まれている。

 新型コロナウィルス感染拡大の予防と規制に社会の最大の関心が向けられ、様々な"自粛"が新しいライフスタイルの提案という形であっと言う間に広がっていくと同時に、コンサートホールでの公演は全て中止されることになった。先が見えない中止であった。

 「パンデミック」宣言が出されているなかで、この状況はなんともしがたいと思うと同時に、あらゆる場面に、"自粛"が自明のこととしてひろがることの怖さを日々実感していた。これでいいのだろうか?これしか方法はないのか?

小さいこと・開かれていること・自前の自制と即行動

参加者は入場前に検温 座・座にきていただいた方にはお判りと思うが、座・座の特徴はいわゆるホールではありません。50人弱が入れますが、日本家屋の良さでスペースを自在に使えます。もう一つは、コンサート会場に使っている和室は庭に面していて、戸を開ければ常時換気を行うことができるのです。

 検温、手の消毒、マスク着用などの対策をキチンと実行すれば、"自粛"=全て中止にする必要はないはず。

 また、出演者もホールの運営者や主催者も、そして何よりお客さまたちも、早くライブに、音楽に会いたいと思っているにちがいない。また国も、時期がきたらこの自粛を見直すに違いない。そうなればすぐに再開できるよう準備しておこう。

 その時は、従来のプログラムではなく、このコロナ体験を反映できるような内容と構成にしたい。この考えに賛同いただけ、一緒に制作に協力いただいたのが日本センチュリーのマネージャー柿塚さん。素晴らしいスピードでプログラムを構成。オーケストラ団員の中から若手の優秀な演奏者を推薦いただき、その結果が今回のプログラムとなったわけです。

「今、ここに触れたい音楽がある」

 コンサートのタイトルは、まさに「今、何を感じてコンサートを行うのか」をストレートに表現したものにした。演奏曲は、いつもの座・座の方針で出演者が弾きたいものを選んでいただくことに。ただし、基本の枠組みだけは決めた:無伴奏曲/共通の新作1曲(近藤浩平作曲・いつか夢になるまで・世界初演)/バッハ/その他出演者の選曲)。

 出演者:安井悠陽(ファゴット) 巌埼友美(ヴァイオリン) 笠野望(バストロンボーン)

池のほとりで、鳥の声を聴きながら演奏するファゴットの安井悠陽 座敷の会場でリハーサル中のヴァイオリン巌埼友美

バストロンボーンを吹く笠野望 めったに近くでみられない楽器を興味深く見るお客さんたち。 庭を背景にした廊下での演奏 観客もこんな感じで聴いている

フライヤーに掲載したメッセージをここに再掲します。

ゲスト出演のトロンボーンロジャー・フラットと 音楽に触れたくても遠く霧の向こうをただ眺めるような時間が続いた。でもそれは音楽が無くなった訳ではない。この間、音楽家の内側で音楽は深く根をはり、音への期待は我々(聴衆)の中で膨らんでいった。今、ほんの少しだけ霧が途切れたので手を伸ばすと、そこには音楽家そのものに直に触れるような「独り」の音楽が用意された。独りにすっかり慣れてしまった我々は無伴奏の孤独を共有する喜びに期待する。それは今の渇きを癒すのに充分すぎるし、交響楽へのさらなる望を掻き立てる。~~

 今回、新型コロナウイルスという未曾有の体験の中、音楽家にとっても聴衆にとっても社会と断絶された期間が続きましたが、ようやく音楽会の再開に望が見えました。その最初の一歩として、私たちが内に持つ様々な【タイボウ】に目を向け、すべて独奏曲(無伴奏作品)による演奏会「今、ここに触れたい音楽がある」を企画しました。

 この演奏会を引き受けるのは日本で最も挑戦的なオーケストラ、日本センチュリー交響楽団です。日本センチュリー交響楽団が誇る楽団員がこの自粛期間中に図らずも積みあがっていった音楽への欲求とアイデアがここで大いに発揮されます。

 「ながらの座・座」は、小規模な会場です。音楽をはじめ、ダンス、パフォーマンス、アート、トークなど多様な表現の実験・挑戦を受け入れる場として、広域的にもよく知られています。ホール空間がその機能を発揮できなくなった時、〝ホール空間ではない〟ことがかえって私たち自身のなかにある可能性を気づかせてくれる機会を提示してくれたように思えます。こんな新たな気づきの中から生まれる「新たな何か」をここから見出したこの演奏会を引き受けるのは日本で最も挑戦的なオーケストラ、日本センチュリー交響楽団です。日本センチュリー交響楽団が誇る楽団員がこの自粛期間中に図らずも積みあがっていった音楽への欲求とアイデアがここで大いに発揮されます。

 「ながらの座・座」は、小規模な会場です。音楽をはじめ、ダンス、パフォーマンス、アート、トークなど多様な表現の実験・挑戦を受け入れる場として、広域的にもよく知られています。ホール空間がその機能を発揮できなくなった時、〝ホール空間ではない〟ことがかえって私たち自身のなかにある可能性を気づかせてくれる機会を提示してくれたように思えます。こんな新たな気づきの中から生まれる「新たな何か」をここから見出したい。