三井寺を舞台にした新シリーズ「音の三井寺」始まります。
─うたの邂逅─
天台声明とイタリア古典歌曲
2021.06.05(土)14:00/18:00開演(2回公演)【お知らせ, 主催イベント, 記録・レポート】 sold out!!
三井寺流声明・天台寺門宗総本山 声明衆/びわ湖ホール声楽アンサンブル
2021年 6月5日(土) 14:00/18:00開演(2回公演)※昼の部:終了後アフタートークつき
会場:三井寺・光浄院客殿 すべてSOLD OUT
入場の詳細はご予約いただいた方に別途お伝えいたします。
近江八景のひとつ三井の晩鐘は、「音の」三井寺として日本三名鐘のひとつに数えられています。
今回のコンサートは、中世芸能の祖でもある二つの「うた」のルーツ三井寺流声明と、同時代の「洋」の歴史の画期的・主観的な歌の登場に着目し、歴史を超えて歌い継がれる「うた」の魅力を、うたの生まれる中世の空間「三井寺・光浄院客殿」を含めて楽しんでいただければ幸いです。
三井寺流声明
演奏曲 供養文 四智讃 仏讃 百八讃 普賢讃
びわ湖ホール声楽アンサンブル
モンテヴェルディ:「アリアンナの嘆き」五声・独唱
カッチーニ:「アマリリ麗し」
カリッシミ:「勝利だ、私の心よ」
ローザ:「側にいることは」 ほか
定 員:各回50名(一般40名、学生若干名)(すべて完売)
参加費(入山料含む):一般5,000円 学生2,000円(25歳以下/若干名)
*未就学のお子様の参加はご遠慮ください。
会 場:ながらの座・座
主 催:一般社団法人文化農場(ながらの座・座)
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀
特別協賛:中山倉庫 滋賀石油
協 賛:京阪電気鉄道 びわ湖大津観光協会 びわ湖大津プリンスホテル 琵琶湖汽船
協 力:三井寺 滋賀県立芸術劇場びわ湖ホール
☞チラシ:PDFファイル [7.0 MB]
Special Report
<音の三井寺・その壱> 洋の東西、聖俗を超えて
―うたの邂逅― 天台声明とイタリア古典歌曲
2021.06.05(土) 14:00/18:00 2回公演 三井寺・光浄院客殿
三井寺といえば「三井の晩鐘」。"音"のある風景がこれほど多くの人に染み渡っているのも珍しいのではないでしょうか。夕暮れ時に、三井寺の界隈をあるいていると鐘の音が流れてきます。それは音楽であると同時に生活に寄り添った馴染みのあるリズムでもあるのです。
一方、第二部ではイタリア古典歌曲の中から17世紀から18世紀にかけて音楽史の中で知られた曲までをとりあげた構成で"洋"の世界における「うた」が紹介された。
こういう構成のコンサートの意図するものはなに?
その答えは、「三井寺流声明の声明衆」といわれる僧侶を中心に仏法の真髄に通じる修行に位置づけられる「うた」と、生活のなかで歌われた芸術性豊かな"うた"が、中世のほぼ同時代にうまれていた空間で聴くと、異なる音楽にもかかわらず、新鮮な世界があったことを知らせてくれるようであった。
それは、信仰と修行に基づく生活から生まれる声明も、人間の情緒や愛を歌いあげる古典歌曲も、実は表裏一体なのかもしれないと感じさせてくれた。
そのような感覚をもつことができたのは、光浄院客殿の持つ自然と創造性に満ちた中世の空間で聴くことができたからではないか。
三井寺は、歴史ある空間が引き継がれているだけでなく、その時間・空間のなかに埋め込まれた深い魅力のひとつを、「音も三井寺」としてこれからも掘り起こしてゆきたい。