古庭園・大人ライブ Vol.41
徹夜の音楽会
野村誠と多彩なゲストが座・座に集う「徹夜の音楽会」
2018.03.31(土)〜4月1日(日)【お知らせ, 主催イベント, 大人ライブ, 記録・レポート】 sold out!!
2018年 3月31日(土) 17:00〜4月1日(日) 9:00(休息入れて翌朝まで)
出演:
野村誠(作曲家) いしいしんじ(作家) 佐久間新(ジャワ舞踏家)
ニシジマ・アツシ(サウンドアーティスト) 野村幸弘(映像美術史)
tupera tupera (絵本作家) やぶくみこ(作曲家・打楽器演奏家)
内容:内容詳細はチラシ裏面をご覧ください
野村誠企画による多様なジャンルで活躍する7名のアーティストによるトーク、セッション、上映会、コンサート。集い、交流し、宿泊する不思議な「座・座式強化合宿」を行います。日帰り・宿泊色々な楽しみ方や出会いを、思う存分お楽しみいただけます。
プログラム:
・日帰りされる方は、プログラム1〜6にご参加いただけます。
(プログラム6の終了時刻は22時を予定/終電が間に合えばプログラム7まで参加可)
・宿泊される方はプログラム7・8にも参加いただけます。
・告知しているプログラムの順番や内容は、変更になることがあります。
定員:
・各プログラム40名。1枚のチケットで、全プログラムに参加できます。
・宿泊の定員は先着20人です。(宿泊費:貸布団代@2,000円。子供も同額)
※全プログラム完売いたしました
参加費:
・大人3,000円/学生2,000円/小学生1,000円(当日券は500円増)
※未就学児は保護者同伴で参加可能
※申し込み完了した方にお振込先をお伝えします。
※当日のお申し込みも受け付けます。当日申し込みは現金のみでのお取扱です。
会 場:ながらの座・座(ながらの座・座)
〒520-0035 滋賀県大津市小関町3-10(地図)
Tel&Fax: 077-522-2926 Mobile: 090-8576-7999(橋本)
詳 細:事務局までお問い合わせください。お問い合わせフォームまで。
主 催:元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(ながらの座・座)
後 援:滋賀県、滋賀県教育委員会、大津市、大津市教育委員会、文化・経済フォーラム滋賀
座・座初めての画期的試み。記憶にいつまでも残る伝説の「あの日・あの時」が生まれるかも。
Special Report
徹夜の音楽会 2018.3.31/4.1
通常のクラシック・コンサートの長さはだいたい90分、途中、休憩が15分ほどあるので、正味、1時間強、CD1枚分の収録時間に相当する。これ以上やると、聴衆が疲れてしまうのか、あるいは、聴衆を飽きさせないようにするのが難しいのか、なんとなくこの長さが決まり事のようになっている。
ところが作曲家、野村誠は、「徹夜の音楽会」のタイトル通り、そんな決まり事をまったく意に介さない。
彼の手がけるコンサートでは、いつも演目が充ち溢れている。
これでもか、これでもか、という具合いに、次々に興味深いプログラムが展開する。小出しにしない、出し惜しみしない、全力全開で聴衆に挑んでくる。かと言って、押し付けがましくなく、クドくもなく、どこかさらっとして、飄々として、心地いい。
音楽会は夕方5時に始まり、小説家、いしいしんじが即興で物語を朗読しながら、それを二面の襖の裏表に書きつけ、映像作家、野村幸弘の官能的で妖しげな「愛のアレゴリー」が巨大な床の間に投影され、舞踊家、佐久間新が満月の庭園で闇を縫いながら踊り、絵本作家、tupera tuperaが読み聞かせで20畳の和室にぎっしり座った聴衆を熱狂させたところで音楽会はピークを迎え、音楽家、やぶくみこがその熱量をグンデルで徐々に静め、サウンド・アーティスト、ニシジマ・アツシがろうそくの光に反応して鳴る音を操作し終わったのが、夜の10時頃。この時点ですでに5時間が過ぎていた・・・。
夜更けには「寝入り小説・寝入り音楽」、翌朝には「「目覚まし小説・目覚まし音楽」、そして佐久間新と参加者が庭と縁側で体操し、tupera tuperaが離れの間の壁のしみを岩山に見立てた絵を描き、音楽会は午前9時にすべてのプログラムを終了した。これらの演目に、野村誠がおもに鍵盤ハーモニカで寄り添い、引き立てながら、音楽会全体をまとめあげていた。
ふつうであれば、コンサートが終わると、聴衆はすぐに帰途に着く。しかしこれは実にもったいない。聴衆同士、体験を共有したコンサートについて感想を述べ、批評することで、互いに理解が深まるにちがいないからである。
「徹夜の音楽会」では、夕方5時から翌朝9時までの16時間の間に、出演者と出演者、出演者と参加者、参加者と参加者が、「ながらの座・座」の居間や書斎や台所や縁側や庭で語り合う機会がふんだんに与えられていた。これは公共のホールではなかなかできないことである。芸術が育ち、活性化するには、やはり個人がこうしたサロンのような場を作って行くことが必要だろう。芸術体験を共有したあと、それについて語り合い、それを記録すること。それらをふくめた時間と空間を作ること。それは芸術の受け手側の非常に重要な仕事である。