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大人ライブLive & Performance

古庭園・大人ライブ Vol.39

吉田誠クラリネット+ Ⅰ.Solo 移動する音・配置される音
New Sounds, New Music and the New Experience

2017.09.23(土)14:00(U-18)/18:00〜・24(土) 14:00〜/17:00〜お知らせ, 主催イベント, 大人ライブ, 記録・レポートsold out!!

吉田誠クラリネット+ Ⅰ.Solo 移動する音・配置される音

2017年
9月23日(土) 14:00開演 U-18コンサート
(一般の方も参加可能です)(完売)
9月23日(土) 18:00開演(完売)
9月24日(日) 14:00開演(完売)
9月24日(日) 17:00開演追加公演

先日来、メディアで取りあげていただいたこともあり、参加者が大幅に増えています。
折角の機会なので、夕刻の部を追加公演していただくことになりました。
ライトアップも行いますので、よろしければこちらの方にもお越しください。
既に別の日時にチケット予約いただいている場合も、変更は受付いたしますので、お申出ください。

座・座古庭園大人ライブVOL.39は2種類のフライヤーを作成しています。☞別チラシ
いずれも今回のコンサートのテーマを2つの方向から示したもの。コンサート内容は同じです。

曲 目:J.S. バッハ: 無伴奏フルートのためのパルティータ イ短調 BWV1013
    オリヴィエ・メシアン: 世の終わりのための四重奏曲 より第3曲「鳥たちの深淵」
    ピエール・ブーレーズ: ドメーヌ〜クラリネット独奏のための
    スティーヴ・ライヒ: ニューヨーク・カウンターポイント
    藤倉大: ピアノと管楽のための五重奏曲"GO"より第5曲 クラリネット独奏版世界初演
    ヨルク・ヴィトマン: 3つの影の踊り〜クラリネットのための(2013)
   ※都合により、曲目、曲順が変更になる場合がございます

出 演:吉田誠

会 場:ながらの座・座                               
定 員:40名(各回)
参加費:一般:4,000円 青少年チケット:2,000円(中学・高校生)
    子どもチケット:1,000円(小学生)
    ペア・チケット:3,000円(大人+小学生1名)
申込み:お問い合わせフォームよりお申込みください。
    メッセージ欄にご希望の公演日時・チケットの種類・人数も合わせてご記入ください。

主 催:元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(ながらの座・座)
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀

☞チラシ:PDFファイル [715.3 KB]

会 場:ながらの座・座                               
申込みフォーム申込み:下記いずれかの方法でお申込みください。
    ①お問い合わせフォームよりお申込みください。
     メッセージ欄にご参加人数も合わせてご記入ください。
    ②FAX 077-522-2926 氏名/参加プログラム名/日時/連絡先/人数の記載必須

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主 催:一般社団法人文化農場(ながらの座・座)
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀
特別協賛:中山倉庫株式会社 滋賀石油株式会社

吉田誠クラリネット+ Ⅰ.Solo 移動する音・配置される音


吉田誠からのビデオレター(YouTube

Ensenble ZaZaでもお馴染みのクラリネットの吉田誠さんがソロで登場いただきます。クラリネットの新たな魅力や可能性を提示する意欲的な構成のプログラムです。主軸は中庭の環境を活かしたブーレーズの作品「ドメーヌ」、そして藤倉大の小品作品の独奏版世界初演もご期待ください。

今回初めて行なう「U-18コンサート」は、春に行なった「次世代のための木管楽器オープンセミナー」の展開として、中・高校生にクラリネットの新体験の場を提供するものです。プログラムが一般公演と同じ内容です。

プログラムのテーマについて

「庭と音楽──移動する音・配置される音」
  • ヨーロッパにおいて、クラシック音楽はコンサートホールで演奏されるだけでなく、歴史的な建物や場所で演奏されその環境が持つ特性、あるいは欠点すら魅力的な演奏を生む意図的な補助線になるとも考えられています。
  • 今回のプログラムは、地形を生かして造られた古庭園の石組み、池、多様な樹木を自然の反響板に見立て、作品の主旨を表現するステージとして音楽ホールでは想像できない体験の場を実現します。
  • クラリネットは現在進行形の楽器としてその機能や音色、新しいキーが増えるなど楽器の構造さえまだまだ変化してゆく途上にあると言われています。そのような楽器──たった1本のクラリネット──が織りなす様々な音色、表現を通して、クラリネットの新たな魅力や可能性を示したいと考えています。
  • 今回の「庭と音楽」は、このような考えのもとに、J.S.バッハとそのフィロソフィーを受け継ぐ20世紀、21世紀の優れた作曲家による実験精神にあふれた新しい音楽をとりあげます。
  • 演奏曲の中心となるブーレーズの作品「ドメーヌ(エリアの意)」はステージ上に幾つかの場所を決め演奏される、というスタイルもありますが、普段演奏されるコンサートホールとは異なる座・座の環境(庭)を生かし、この庭の構造を反映した音響的、視覚的多様性と変容を楽しむ場を出現させます。(移動する音・配置される音)
  • ここでは庭は背景ではなく、曲と一体になって聴衆の前にあり、300年前にバッハが教会において行なった様々な実験的な音響の試みや奏者の配置等、様々な発明が引き継がれていることを再認識させてくれるでしょう。

一般のコンサートホールでは出現できない今回のコンサートに、ぜひお越しいただけますようご案内申し上げます。

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Special Report

「庭と音楽──移動する音、配置される音」を聴く

ショート・インタビュー:劇作家・演出家 あごうさとしさん

 ライトアップした庭のなかで、とりわけ魅惑的な景色が出現していた。池の水面が鏡状になり、かすかな湧き水か、はたまた風によって生まれる波紋の相乗効果で、そこにはまるで底のない、地の底までも通じているようなこの世のものとも思えない樹木の姿が映し出されていた。吉田誠のクラリネット・ソロにはこの風景に通じるものがあるように思えた。
 そんな背景を見ながら、劇作家・演出家の目からみたクラリネット・ソロのコンサートについてお尋ねした。

今日のコンサートはいかがでしたか。全体の流れとして。

いや〜、すごく楽しかったです。時間がたつのがあっという間でした。

一番印象深かったシーンはどんなところでしょう

庭のなかを(演奏する場所を)移動しながら演奏することで音の響きが変わってきましたし、音楽の印象そのものが豊かになってゆくのがオモシロいですね。演奏の音以外の様々な音が聞こえても(邪魔ではなく)豊かな感じがしました。
とりわけ、演奏の冒頭でも説明されていたように、(庭のなかの)こちらのエリアが「この世」あちらが「あの世」に見立て、その両方を繋ぐもの、境界としての「橋」がかかっている。その橋の真ん中で演奏されたときは、この世とあの世の境界から聞こえてくるような、広がりのある深い音を聴いたなと思いました。

それと、吉田さんが歩いている時。橋を渡る、庭の演奏ポイントから移動する時。通常の演奏会では見ることの出来ない特別なモーションは、ユーモアと切実さが滲むような時間でした。

今回のコンサートの全体テーマは「庭と音楽」ですが、メインテーマは「移動する音、配置される音」です。ホールとは違った空間で試みられた今回のコンサートで興味を持たれたことはありますか?

吉田さんの選曲のオモシロさでしょうか。編成もいいですね。全体がポップな構成になっているのではないかと思いました。そのために、(一般的に難解と言われる)現代音楽に聴衆も入り込みやすかったように思います。現代音楽にはスリリングな要素があって、そこに吉田さんの演出が入って、何重にも奥が深いものになっていると思いました。

"ガブリ四つ"のコラボレーション

また、楽曲や、演奏場所にあわせて、大小のクラリネットを選択し、また、クラリネットのリードなどを曲ごとに、変更しなから演奏されていました。クラリネットそのものの持つ性能や特性を最大限に引き出されていたのではないでしょうか。この空間に"ガブリ四つ"のコラボレーションで取組んでおられるところに凄味を感じます。

何重にもオモシロイ一人十重奏

一人十重奏のエレクトロニクスとクラリネットのmixした演奏(s.ライヒの「ニューヨーク・カウンターポイント」)はとても惹かれました。古い場所(歴史的な)で現代音楽がこういうカタチの出会いかたをするのは今後の新しい可能性があるのではと思う。古いモノの未来形がこういうところにあるのでは。何重にもオモシロイ、単純にオモシロイ。

(ショート・インタビュアー:橋本敏子)

9月24日(日) 昼公演 9月24日(日) 昼公演 9月24日(日) 昼公演

9月24日(日) 昼公演 9月24日(日) 昼公演

9月24日(日) 夜公演 9月24日(日) 夜公演

9月24日(日) 夜公演 9月24日(日) 夜公演 9月24日(日) 夜公演

アンケートに見る聴衆の声
<中学生>
  • 音と自然が一体化していて素晴らしかったです。音の表情に驚かされました。未知の音、色があることに衝撃を受けました。もっともっと知りたいです。

<高校生>
  • PCとの共演(ニューヨーク・カウンターポイント)。今まで現代音楽を聞いたことがなかったので凄く新鮮で楽しかった。
  • 空間が違うところへ移るだけでここまで曲の感じが変わるんだととても感動。

<20代>
  • 現代音楽自体を初めて聴いたので、全てが衝撃的でした。すごくのびのびした音楽で、聴いていて気持よかったので、いっそ寝転がってきいてみたいなと思いました。
  • 「鳥たちの深淵」(メシアン)の中のでは、大きくて低くて深い、長い音と同時に鳴っている高い倍音が面白く好きでした。
  • 木々や岩や木の葉や水や、そこにいる生き物すべての音を浄化しているようで、今まで一度も感じたことがないほど、音楽がとても心地よくステキな時間をすごせました。
  • ライヒの作品をこんなにオモシロいと思ったのは初めて。デジタルで無機質なはずの音群が、とても自然でアナログで、有機質で、なんというか手触りがやさしく・・・これも庭効果でしょうか?

    それともクラリネット本来が持っている質感や、吉田さんのクラリネットの音色効果でしょうか。
  • 鳥のさえずりや木々のゆれなど曲とマッチしたとてもステキな空間でした。視覚からも聴覚からも、また嗅覚からも楽しめました。
  • 期待以上。1+1=3,4になっていた。

<30〜40代>
  • メシアンは際立っていた。
  • 環境音(虫の鳴き声など)はよく作用するときとそうでない時もある。
  • メシアン、ライヒは現代という時代を広く見る感覚になった。
  • 庭が見えて開放的なのに、藤倉、ヴィットマンは音が響いて包まれる感覚になりナンとも不思議だった。
  • キュレーションがよかった。ソロとはいえ、ライヒがあったり飽きさせない工夫と場にぴったりでした。
  • ライヒのカウンターポイント、すばらしかった。ホールで聴く場合は一列に並んだ演奏になるかと思いますが、座・座での今回の演奏のように立体的にいろんな場所から音が聞こえ、カウンターポイントの理想的な聴き方ができてとても感動した。
  • スピーカーが沢山いろんな場所から、また並んでいる風景はアート作品をおもいだした。

<50〜60代>
  • CLがここれほど日本庭園にあうとは思いもしなかった。現代曲であるほど。

    年齢を越えて、音楽体験の違いなんか関係なく、ホントにいいものはヒトを動かす。
  • ブーレーズの色々な音。重・軽・厚・薄・明・暗・硬・軟・高・低・大・小・ff・pp・長・短・有機的・無機的・耳なじむ音・耳に馴染まない音・遠くのつくつくボウシの声・外の人の話し声・耳に障る音・かすかな風・虫の羽音・水面の光の反射・何かが池に落ちる音・すべての環境が一体となって素晴らしい。

<不明>
  • メシアン、深淵を感じる音が無のところからのクレッシェンドが気に入りました。ヴィットマンの曲は流石にクラ奏者だけあって、いっぱいおもしろい音があって楽しかった。
  • 大きな木の下(サルスベリ)の演奏がすごく響きがよかった。
  • ライヒはスピーカーを庭に出して、庭での響きも聴いてみたかった。
  • 音の波動が隔たり無くのびやかにゆきとどき、心地よかった。