ながらの座・座

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講演・トークTalk and Lecture

新企画「座・座の食堂(ジキドウ) その壱」
「日本酒探検隊」の新生版。より深く・美味しく・過激に楽しむ!

神開ガ誘ウ日泰野食譚

2017.07.19(水)15:00〜18:00お知らせ, 主催イベント, 記録・レポート, 講演・トークsold out!!

神開ガ誘ウ日泰野食譚

2017年7月9日(日) 15:00〜18:00

ナビゲーター 清水龍圭さん(「神開」番頭)
登場する役者(メニュー)たちは、当日のお楽しみに。フツーで入手困難な素材がありますので。

今回のテーマ「神開ガ誘ウ日泰野食譚」   
この半世紀、日本の食は「美」と「飽」の時代でした。今、時代は転機を迎え、次の50年はどこへ向かうのか誰も見えません。
ナビゲーター・清水龍圭さんの目を通して見えるモノ喰いの有様の話を聴きながら、「神開」とともに"土地が育てるチカラ""琵琶湖のいのち"を味わいたいと思います。

定 員:25名
参加費:4,000円(お酒と肴含む)
主 催:元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(ながらの座・座)
企 画:清水龍圭・ 布施明美
会 場:ながらの座・座
    〒520-0035 滋賀県大津市小関町3-10(地図
    Tel&Fax: 077-522-2926 Mobile: 090-8576-7999(橋本)
申 込:定員になりましたので募集を終了いたします
お問い合わせ:090-8889−7302(布施)

会 場:ながらの座・座                               
申込みフォーム申込み:下記いずれかの方法でお申込みください。
    ①お問い合わせフォームよりお申込みください。
     メッセージ欄にご参加人数も合わせてご記入ください。
    ②FAX 077-522-2926 氏名/参加プログラム名/日時/連絡先/人数の記載必須

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主 催:一般社団法人文化農場(ながらの座・座)
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀
特別協賛:中山倉庫株式会社 滋賀石油株式会社

食堂(ジキドウ)」とは、寺院で、本来僧が儀式のときの斎食を行なったり、集まって食事をする建物の意味。
寺の関連施設であったルーツを持つ座・座で、現在の、未来の「食べる・生きる」を巡るトークと食・飲が交差する新緑の宴をひらきます。

Special Report


神開ガ誘ウ日泰野食譚 撮影者:後藤幸子さん on Vimeo.


思い思いの ヒトを紡ぎ 溶け合う時空の出現
布施明美(座・座のジキドウ企画メンバー)

座座 食堂(ジキドウ)という名前を決める所から始まったこの企画。
お酒 タイ 座座という一見バラバラなものが 集まるひとによって 紡がれて行きました。

ほんまに さまざまな職業 年齢 趣味をお持ちの方々が タイ料理を食しながら 
神さんが開いたお酒を呑みながら 梅雨のしっとりした瑞々しい空気と共に 
語り合い、融け合う素敵な時空となりました。

ここの庭は いつもはメインの日本庭園が座座の見どころやったんやけど 
今回 その右手にあたる庭も初めて開け放たはったら また正面とは違う魅力と 天にまで通じてしまうような解放感が生まれて これも新しい発見でした。

えらそうな試みを全面的に声高々に叫ぶのではなく また駆除一辺倒でもなく 
外来種の魚をちゃんといただく。
頑張らなくてもいい角度を 違った角度でアプローチできないかな?
命を奪う事には変わらない これはひととしての業であるけれど 
せっかくなら感謝していただく いのちというものを意識しながらいただく。
命と言うものへの迎え方を今一度 投げかけることはできないかな?
こだわることはないけれど この一点だけは大事にしたい。

ながらの座・座の床の間、縁側、日本庭園という空間も素晴らしく。
ちょいと飲み疲れたら心地よい風が抜ける縁側でゆったり。
夕立ちもまた一興と思い思いにこの場を楽しんでらっしゃいました。
「座」というにふさわしく、様々な生き方をしている人々がこの場で語り合い、融け合う素敵なひと時となりました。
最後に発起人として、
なぜブラックバスだったのか。
なぜタイ料理だったのか。
なぜ地酒なのか。
なぜお寺の宿坊だったのか。
そんな話を少しさせていただきました。
あの場、あの時間がご参加くださいました
皆様のほんのわずかな気付きになったとしたら大変嬉しゅうございます。


発想するチカラはどこから来るか?
橋本敏子(ながらの座・座・主宰)

「座・座のジキドウ」は、2012年〜昨年まで行なっていた「日本酒探険隊」の新生プログラムです。土地の食と飲を「より深く・美味しく・過激に楽しむ!」をモットーに、ヒトが出会う場になればとの主旨で始めた。タイトルの「ジキドウ」は、寺院で本来僧が儀式の時の斎食を行ったり、集って食事をする建物の意味。座・座が寺の関連施設であったルーツに因んでいる。
 
 さて今回の催しは、強烈な個性を持つ3人のメンバー、清水龍圭(ナビゲーター:「神開」番頭)石倉恵美(料理人:タイ・イサーン地方の料理に熟達)、布施明美(お酒と場のコーディネート)のアイディアと実行力と熱意で実現したものである。さらにブラックバスのゲット、芭蕉葉の提供など、いろいろご協力いただいた方々にも感謝・感謝である。(詳細は下記のfbに詳しい)

 ☞清水龍圭Facebook(藤本酒造株式会社「新開ガ誘ウ日泰野食譚」
 ☞布施明美ブログ(酒屋日記:ながらの座座 食堂その壱「新開ガ誘ウ日泰野食譚」

野生を食べる

 今回のテーマ「神開ガ誘う日泰野食譚」はナビゲーター清水さんと石倉シェフの命名。今日、「野生を食べる」機会がほとんどなくなっているだけでなく、自然の生き物を食べる=いのちをいただくと言うことへの関心も知恵もないのが今の私達。たとえ関心があっても実際に野生の素材を手に入れることはおろか、調理スキルはほとんどない。そんななかで「美味しい」と唸らせ、「これはナンだ」と興味を呼び起こし、人々のココロをわしづかみにすることはなみ大抵のことではない。
 
 テーブルにあがったのは、琵琶湖で釣っていただいた大物ブラックバス(多分15年は生きていたと思われる)、と中くらいのバス。それに明美さんの畑で育てられた野菜や、タイの糯米など。旬の野菜を石臼で叩き合わせつくられた独特のディップソースやタイのハーブの香りが複雑に絡み合ったカレースープをあわせて食べる。
 ブラックバスは驚くほどの淡白さ、サラダやスープに変身した素材は、私達が比較的好く目にする「いわゆるタイ料理」とはかなり異なったものだった。あえていえば、日本の地方で目にする「冷や汁」や「和え物」のような親しみを感じさせる普段着の料理に近い。メディアでとりあげられるブラックバスのニュースには、こんな美味な姿を持っていることはほとんど語られていない。外来魚=駆除対象という発想に私達は疑いもなくとらわれているのだろう。
 そもそもなぜタイか、なぜ野生か?問題意識は、メンバーそれぞれの中で異なるが、少なくとも
今の、この時代に向き合い問いかける姿勢は共通している。ブラックバスひとつとっても、今までの世界に対する、既成の枠組みを壊して発想するチカラが今こそ必要なのだ、とブラックバスを見ながら思ったのだった。

異種格闘技としてのセレクト地酒

 神開番頭の清水さんが、今日の料理を想定して持ってきてくださったのが「神開」のこれぞ!という8種類のお酒。既に蔵元完売で手に入らないものや梅酒の古酒も含まれていて、「これでどうだ!」という声が聞こえてくるラインアップである。料理とお酒と言うよりは、両者ががっぷり四つに組んだ熱き戦いとでもいうか。この戦いは、料理やお酒というカテゴリーを越えて食する方にも問いかけられているのだ「あなたが揺さぶられたモノは何ですか?」と。

「おもてなし」は、雨・湿気・暑さと座・座の空気

 この日(7/9)は、晴れ時々雨(時おり激しくなる)、湿気80%は優に越えているだろう。一般的な常識では、会食には最もそぐわない天候だった。座・座の会場は天井の高い約24畳の和室(2室で)。エアコンはついているが1台。あとは扇風機3台と庭の池を吹き抜ける風だけである。
 しかし、これこそは「タイの人々が野生(野の)」を楽しんでいる日常そのものだ、とタイに暮らしたことのある石倉さんはいう。
 
 こういう環境そのものを身体ごと受け止め、その地で生き続けている「野のチカラ」「野のいのち」をいただくことで見えてくるもの、生まれる会話。それが今回の最大のおもてなしである。
 お酒だけでも、料理だけでも、空間だけでもない、そこにヒトがおり、初めての体験が既成の枠組みを解いてゆく、そのような場にヒトが集い、何かが生まれる、「座のジキドウ」がそのような場になって欲しいと思う。

体長60数センチのブラックバス 芭蕉葉をテーブルのセンターに敷いて、迫力ある料理、優しい料理、奥深い味。

想像を越えるブラックバスの味 縁側で一休憩

こんなテーブルでスタート あけみさんの畑でとれた野菜たちも参加

神開のラインアップ。料理とガッツリ組んで見事でした。 座・座のジキドウ集合写真