ながらの座・座

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大人ライブLive & Performance

古庭園大人ライブ Vol.20

Ensemble Zaza 夏のコンサート
「黄昏の音調(メロディ)

2014.07.19(土)17:30〜・20日(日) 14:00〜/17:30〜お知らせ, 主催イベント, 大人ライブ, 記録・レポートsold out!!

Ensemble Zaza  夏のコンサート

2014年 7月19日(土) 17:30開演
2014年 7月20日(日) 14:00開演/17:30開演
(2回公演)
※開場は開演30分前

出 演:佐藤一紀・谷本華子(ヴァイオリン) 中田美穂(ヴィオラ)
    金子鈴太郎・平野朝水(チェロ) 吉田誠(クラリネット) 
定 員:各回40名(全公演 完売)
参加費:3,500円
会 場:ながらの座・座
    〒520-0035 滋賀県大津市小関町3-10(地図
    Tel&Fax: 077-522-2926 Mobile: 090-8576-7999(橋本)

会 場:ながらの座・座                               
申込みフォーム申込み:下記いずれかの方法でお申込みください。
    ①お問い合わせフォームよりお申込みください。
     メッセージ欄にご参加人数も合わせてご記入ください。
    ②FAX 077-522-2926 氏名/参加プログラム名/日時/連絡先/人数の記載必須

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主 催:一般社団法人文化農場(ながらの座・座)
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀
特別協賛:中山倉庫株式会社 滋賀石油株式会社

Ensemble Zaza  夏のコンサート

昨年の衝撃ライブ「灼熱のブラームス」を覚えておられるでしょうか?
今年から Ensemble Zaza という名での公演がスタートしますのでよろしくお願いします。
さて今回は五重奏曲ばかりを取り揃えたプログラムで、2日3回公演です。
今年はどんな衝撃に出会えるでしょうか。お楽しみに。

Special Report

黄昏の音調(メロディ)を聞く(井上建夫)

 ボッケリーニ 弦楽五重奏曲「マドリードの夜警隊の行進」
 モーツァルト  クラリネット五重奏曲 イ長調 K.581
 シューベルト  弦楽五重奏曲 ハ長調 D.956

 このコンサートの2日前は兵庫県立文化芸術センターのプロデュース・オペラの初日だった。プログラムの解説に岡田暁生さんのこんな文章があった。

『コジ・ファン・トゥッテ』について「ききどころ」を書くことは難しい。なぜなら「ききどころでない箇所」など、このオペラには存在しないからである。

 『コジ・ファン・トゥッテ』と同じ頃に作曲された、モーツァルトの『クラリネット五重奏曲』も、最初から最後までききどころといっていい密度の濃い音楽だ。しかし『コジ』も『クラリネット五重奏曲』も、その1~2年前の作品、3大交響曲や『ドン・ジョヴァンニ』のような力が漲る作品とはもう違っている。いつの間にか日が傾き、あちこちに影が差しているのに気づく、変わらず緊張感は持続しているのにどこか心ここにあらずという表情が感じられるのだ。
 作曲者は2年後の死を予感していたのか、それとも肉体の衰えを自覚していたのか、ある種の生理的な刻印が作品に残されているように思うのは、伝記的事実に引きずられての感傷だろうか。クラリネット、特にその低音の響きが陰影を濃くしているのは確かだが、第一楽章冒頭の弦で奏されるテーマの下降線をたどるメロディーラインにも、イ長調の明るい響きなのにどこか沈み込むような調子がある。クラリネットがたっぷりと歌う第2楽章ラルゲット、短調と長調の2つのトリオを持つ第三楽章メヌエット、クラリネットと弦が活発に交代する第4楽章変奏曲と、終始、古典的な高い完成度で隙なく進行し、もうこの方向でこれ以上の完璧はないことを感じさせる。
 この曲(とその前のボッケリーニ。これは傑作2つのアペリチフ。)は座敷に面するお庭で演奏され、聞き手は座敷である。池を囲んで5人の奏者が配置されるのだが、意外なことに各楽器の音は必ずしも分散することなく、座敷の聞き手に届く。池の向こう側、もっとも遠い所にいるクラリネットもまっすぐ明瞭に聞こえてきた。しかし奏者たちは響きをまとめるのに相当苦労があったことだろう。暗くもなり、湿気もおおいことから、後半は座敷での演奏である。

 シューベルト最後の年の弦楽五重奏曲を彼の最高傑作とする人も多いに違いない。モーツァルトのクラリネット五重奏曲と違って、晩年を思わせるところはない。死を数か月後に控えているにもかかわらず上昇する力強さは無類である。もし何か別れを感じさせるところがあるとすれば、最終楽章の第4楽章だ。長調と短調を交錯させながら力を高めていく第1楽章、ゆったりと息長く歌い続ける第2楽章、声を限りの歌ともいうべき第3楽章スケルツォのあとは、すべての仕事をやり終えた者たちが交わすくつろいだ挨拶だ。幾分ハンガリー風を帯びたウィーン情緒をリードするのは第1ヴァイオリンだが、他の奏者もそれぞれが自由に楽しく語り歌う。この日限りに別れる者たちの高揚する解放感があふれる。このフィナーレが、アクセントを自由に強調しながらメロディを思い切って歌った奏者たちの今日一番の果実だろう。
 傑作の広大な世界には様々なアプローチが可能だ。若い奏者たちが正面突破を試みるとき、思いがけない魅力的な演奏が生まれる。もちろんこれは始まりであって、ここからもっと色々なことが起こるにちがいない。(シューベルトは第1ヴァイオリンが谷本華子、第1チェロが平野朝水)

中田美穂(ヴィオラ) 金子鈴太郎(チェロ) 佐藤一紀(ヴァイオリン)

谷本華子(ヴァイオリン) 平野朝水(チェロ) 吉田誠(クラリネット)

Ensemble Zaza 大粒の雨が突然降り注ぎ、室内に逃げ込んでの演奏 Ensemble Zaza

Vol.20「Ensemble Zaza 夏のコンサート」のレポート(橋本敏子:座・座主宰者)

「ensembleZAZA」という名前での公演の1回目。かつ2日間3回公演というのも初めての挑戦。
さらに予定外の「次世代のための公開ゲネプロ」までやってしまうという勢いで今年の公演が始まりました。昨年と同様、公演までの1週間をビッチリ合宿も行なって。
(詳しくは「ながらの座・座」の Facebook をご覧ください)

初日は生憎の雨。二日目は素晴らしい天候になりみんな大喜び。
ボッケリーニの「マドリードの夜警隊の行進」を、庭での演奏を生かした演出で始めた直後、大粒の雨が突然降り注ぎ、室内に逃げ込むという不運、三回目は雨も上がりようやくボッケリーニとモーツアルトを庭で演奏、日没後はシューベルトを室内で行い無事終了しました。

"音楽の神が降臨する"ということが本当にあるんですね!
シューベルトの五重奏曲の演奏で初めて体験しました。それはホントにココロと身体が震え、司会をしていたのが言葉が出なくなりました。「皆に何かが降りて来たような、不思議な集中力と感性で特別な出来だったような気がします」とメンバーの一人も後で語ってくれました。多分、庭もイエも喜んでいたことでしょう。