ながらの座・座

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大人ライブLive & Performance

古庭園大人ライブ Vol.27

Ensemble ZAZA 2015 コンサート
ドイツ浪漫(ロマン)の光と影

2015.09.22(火) 17:30〜・23日(水) 14:00〜/17:30〜お知らせ, 主催イベント, 大人ライブ, 記録・レポートsold out!!

Ensemble ZAZA 2015 コンサート

2015年 9月22日(火・祝) 17:30開演
2015年 9月23日(水・祝) 14:00開演/17:30開演
(2回公演)
※開場は開演30分前 ※全公演 soldout となりました

出 演:佐藤一紀・谷本華子(ヴァイオリン) 中田美穂・安達真理(ヴィオラ)
    金子鈴太郎・平野朝水(チェロ) 吉田誠(クラリネット) 
定 員:各回40名 *未就学のお子さまの参加はご遠慮ください。
参加費:4,000円(茶菓含む)※全公演 soldout!
主 催:元・正蔵坊と古庭園を楽しみ守る会(ながらの座・座)
助 成:公益財団法人日本室内楽振興財団
後 援:滋賀県 滋賀県教育委員会 大津市 大津市教育委員会 文化・経済フォーラム滋賀
会 場:ながらの座・座
    〒520-0035 滋賀県大津市小関町3-10(地図
    Tel&Fax: 077-522-2926 Mobile: 090-8576-7999(橋本)

※Ensemble ZAZA 2015公演の出演者変更のお知らせ

 9月22日・23日に行ないますEnsemble ZAZA 2015公演の
 尾池亜美(ヴィオラ)が都合により出演できなくなりましたので
 安達真理が代演いたします。出演者プロフィールはこちら☞

☞チラシ:PDFファイル [854.9 KB]

Ensemble ZAZA 2015 コンサート

年一回のEnsemble ZAZAの公演が巡ってきました。
今年は、灼熱の夏公演から秋に移動して、フルメンバーで登場します。
取りあげるのはシェーンベルク「浄夜」、そしてC.ヴェーバーのクラリネット五重奏曲、R.シュトラウス 『カプリッチョ』より六重奏曲。
国内外各地から集る豪華メンバーの演奏にたっぷり浸り、座・座ならではの幸福の時間をお届けしたいと思っています。
なお今回も次世代のための「公開ゲネプロ」を行います。詳細は後日お知らせします。

Special Report

2015年9月22日 ゲネプロの様子 2015年9月22日 ゲネプロの様子

2015年9月22日 ゲネプロの様子 2015年9月22日 夜公演

座・座の一期一会

 舞台芸術はどれも刹那の芸術だ。パフォーマーの良し悪しに関わらず、二度と同じ舞台はなく、その場その時間に居合わせた者だけが一期一会の芸術を共有することができる。ながらの座・座は、そんなことを改めて実感させてくれる場所である。

 Ensemble ZAZAによる「ドイツ浪漫の光と影」と題されたコンサート。ドイツ・ロマン派を象徴する3人の作曲家による作品を、7人の音楽家たちが交互に奏でる。

 まず演奏されたのはR.シュトラウスの「カプリッチョ」から六重奏。座敷の中央に向かってぐるりと円を描く6名の奏者たち、観客はその外側を囲むように思い思いの場所へ。庭に向かって大きく開け放たれた縁側から、秋の夜の涼しい風や虫の声がこちらにも届いてくる。「カプリッチョ」は本来オペラ作品で、今回演奏された六重奏は、幕の上がる前から本編までの導入として演奏される一曲。冒頭、第一ヴァイオリンが奏でる美しい旋律が、ドイツ浪漫に浸る一夜への期待を高めてくれる。6人の奏でる旋律が幾重にも重なり、交互に表れては消えて、R.シュトラウスらしい情熱的で繊細な世界を描き出す。当然ながらここで聴こえてくる響きは、コンサートホールで聴くそれとは異なるもの。座る位置によって、観客もそれぞれ違うものを聴いているのだろう。でもそれで良い、それが楽しい、そう思わせてくれる何かが座・座にはある。

 2曲目は、C.ヴェーバーのクラリネット五重奏曲。この曲は、座・座の誇る美しい庭園に降りて演奏される。他の2曲が6つの楽器の濃厚な絡み合いであるのに対して、この曲は少し趣を異にし、技巧的なクラリネットが旋律を奏でる作品である。ヴェーバーはオペラを得意とした作曲家であった。夜のライトアップされた庭園で池を囲んで立つ演奏家たち、ひとり池の中の浮島に立つクラリネット奏者は、さしずめアリアを歌う主役歌手のよう。時折遠くから聞こえるカラスや犬の声も決して雑音ではなく、あたかも今日の舞台の一部のように感じられる。

 休憩を挟んで最後は、後期ロマン派を代表するシェーンベルクの「浄夜」。再び室内に戻り、明かりを消して演奏される。月夜の道を歩く男女の語らいを描いたリヒャルト・デーメルの詩に基づく、鮮烈で叙情的な作品である。秋の冷たい夜風を肌で感じながら聴くのにこれほどぴったりな曲は他にあろうか。6人の演奏家の息遣いも聞きながら、デーメルの描いた世界に思いを馳せ、濃厚で鋭い音楽にたっぷりと浸ったひとときであった。

 今回の「ドイツ浪漫の光と影」は計3回上演された。翌日の公演は、また今日と違った音楽を聴けるのだろう、そんなことを考えながら駅までの夜道を歩いた。座・座に人が集まってくるのは、上質の音楽を聴くためだけではなく、その時その場所でしか出会えない何かを期待してのことかもしれない。少なくとも私はそう感じている。

奥田もも子(公益財団法人びわ湖ホール 音楽企画アドバイザー)